ハウスメーカーで働きたい!特徴や仕事内容などを解説
2020.08.18
- 建設業界で働く
記事ライター:キャドテク編集部
住宅建築の仕事は、お客様の夢を形にするやりがいのある仕事です。
建物規模が小さいので1つの物件の設計業務などを1人で担当することもあるため、そういった意味では、これからCADを始めたい方や、建築の知識を身につけたい方にも向いている仕事とも言えます。
そこで今回は、住宅業界の中心とも言えるハウスメーカーにスポットを当て、ハウスメーカーの仕事を探す上で知っておきたいポイントを紹介します。
目次
ハウスメーカーってどんな会社?
ハウスメーカーは、戦後の住宅不足を解消するために、住宅を工業化して大量生産する会社として設立されました。
特徴としては、以下のものが挙げられます。
・多くの部材を工場生産している
・会社独自の構造・工法を取り入れている
・企画~設計~施工~販売~アフターメンテナンスを自社で行う会社もある
多くの部材を工場生産している
柱、屋根、壁、床などの部材を規格化し工場生産しているため、品質が安定していて、工期が比較的短いことも特徴です。
企業によっては自社工場を持ち、オリジナルのCADを使用して部材の入力を簡単に行えるようにしているところもあります。
会社独自の構造・工法を取り入れている
企業ごとに独自の構造や工法を開発し、取り入れています。
自社で研究施設を持つ企業もあり、新しいデザインや素材、工法などの開発力に優れています。
企画~設計~施工~販売~アフターメンテナンスを自社で行う会社もある
ハウスメーカーは住宅建築の企画、設計、施工のすべてを自社で行っています。また、大手企業では自社の建売住宅の販売も行っている会社もあります。施工は協力会社に依頼することが多いですが、いつも同じ業者が工事を行うため信頼関係が構築されています。
また、大手企業ではグループ会社と連携し、引渡し後の定期点検やリフォームを自社グループで行っている企業もあります。
ハウスメーカーの分類
ハウスメーカーの住宅は、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造など会社によって様々です。各工法を扱う主な会社は、以下のとおりです。
木造
軸組工法:住友林業、一条工務店、大和ハウス工業、積水ハウス
木質パネル工法:ミサワホーム、ヤマダホームズ、スウェーデンハウス
2×4工法:三井ホーム
鉄骨造
軸組工法:大和ハウス工業、積水ハウス、旭化成ホームズ、パナソニックホームズ
ユニット工法:セキスイハイム(積水化学工業)、トヨタホーム
鉄筋コンクリート造
大成建設ハウジング
また、モダン、和風、洋風・欧風など、会社によって得意なデザインがあるので、好みのデザインを扱っている会社を選んでもいいかもしれませんね。
ハウスメーカーでできる仕事
ハウスメーカーでは、職種ごとに担当を分けて業務を行っています。主な職種は以下のとおりです。
・営業
・設計
・現場監督
・積算
・CADオペレーター
・インテリアコーディネーター
・事務
・その他
営業
ハウスメーカーの営業は戸建住宅営業、賃貸住宅営業の2つに分けられます。
顧客を開拓し、要望を元に設計が作成したプランを提案します。さらに設計段階での打ち合わせ、資金計画のサポート、工事の進捗状況の連絡、引渡し後のアフターケアも重要な仕事です。
お客様の相談窓口となる、最も身近な存在です。
設計
設計の仕事は主に設計図面の作成です。
まずは営業と協力してお客様の要望に沿ったプランを作成します。ハウスメーカーは建物の構造が概ね決まっているため、建物配置や間取りの計画が主になります。
契約後は、打ち合わせを重ね詳細部分を決定し、建物の実施設計や構造設計、確認申請用の図面を作成し、現場監督や施工担当へバトンタッチします。
デスクワークが中心ですが、時には敷地の調査や現場での打ち合わせ、役所に訪問し法や条例について確認をすることもあります。
現場監督
現場監督の仕事は主に工事現場の管理です。
工程管理、施工状況の確認、作業の安全管理などの施工管理や、近隣への配慮、顧客対応などを行います。現場で行う仕事が多いですが、書類作成や現場写真の整理などのデスクワークもあります。
積算
積算の仕事は主に見積書の作成や部材の発注です。
設計図面を元に部材の数量などを拾い出し、見積書の作成や部材の発注を行います。
CADオペレーター
CADで図面作成・修正を行い、設計をサポートします。
AutoCADなどの広く一般的に使われているCADを使用している会社もあれば、大手企業などでは自社のオリジナルCADを使用している会社もあります。
オリジナルCADを使用している場合は、部材の入力が比較的簡単に行えるので、CAD初心者の方にもおすすめです。
インテリアコーディネーター
設計と協力し、床材や壁材、家具、照明、設備機器などの計画・提案を行います。設計担当と同様、お客様の要望を満たせるよう内装全般をコーディネートします。提案内容が伝わりやすいよう、写真や部材のサンプルを使用してイメージボードを作製することもあります。
女性の細やかな配慮が活きるので、女性に人気のお仕事です。
事務
営業事務、技術事務、総務事務などに分かれます。
営業事務は、住宅展示場での接客やプレゼン資料の作成などを行い、営業をサポートします。
技術事務は、各書類の作成・整理などを行い、設計や現場監督をサポートします。
その他に総務事務などの一般と会社と同様の職種もあります。
その他
その他にも、本社で新しい技術・素材などを研究する研究開発や、市場調査を行い新しい商品を開発する商品開発の仕事もあります。
また、自社工場を持つ会社では、工場の生産管理などを行う仕事もあります。
ハウスメーカーと似ている業種
住宅に関する事業は様々な会社が行っています。ハウスメーカーと似たような事業を行っている業種は、以下のようなものがあります。
・ビルダー
・工務店
・不動産会社(デベロッパー)
ビルダー
ハウスメーカーが全国に事業展開しているのに対し、「ビルダー」は特定の地域に特化して事業を行っている会社を指します。
規模としてはハウスメーカーと中小工務店の中間にあたりますが、中には「パワービルダー」と呼ばれるハウスメーカーに並ぶ販売棟数を誇る会社もあります。
ローコスト住宅や建売住宅を得意とする会社が多いですが、一方で独自の商品ラインアップを持つようなハウスメーカーと近い形態の会社も見られます。
工務店
地域に根ざして、主に住宅を中心に設計、施工を行う建設会社のことを指します。従来の、施主や近隣住民との信頼関係を元に仕事を受注する傾向が強いのが特徴です。
大工さんが中心となる昔ながらの形態や、営業・設計・現場監督と施工部隊が一体となり建築の企画から設計、施工までを一貫して行う会社など、形態は様々です。
不動産会社(デベロッパー)
デベロッパーは大規模な住宅開発や都市開発などの分譲業を行う会社です。
開発の企画、土地の仕入れ、販売などが主な業務で、設計や施工は自社では行いません。
大手企業ではグループ会社と連携し、開発の企画から設計、施工までを自社グループで行っている企業もあります。
大手ハウスメーカーである大和ハウス工業は、近年ではデベロッパーが行うような事業も手掛けるなど、住宅産業の枠組みを超えて事業を拡大しています。
まとめ
ハウスメーカーの特徴、分類、仕事内容についてご紹介しました。
住宅は他の建物に比べると建物規模が小さいので、1つの物件の設計業務などを1人で担当することもあります。また、オリジナルCADを使用している会社ではCAD入力も比較的簡単に行えるので、これからCADを始めたい方や、建築の知識を身につけたい方にもおすすめです。
また、ハウスメーカーには様々な会社があり、様々なポジションの仕事があるので、どのような会社で働きたいか、どのような仕事を担当したいか、という見方からお仕事を探してみるのはいかがでしょうか。