Illustrator

[遠近グリッド機能]奥行きのあるオブジェクトを作成する

Illustratorには、遠近感のあるデザインやイラストを手軽に作成できる
「遠近グリッド」機能があります。
建築パースや街並みのイラスト、パッケージデザイン、展示ブースのレイアウト
作成など、奥行きを伴う表現が求められる場面で活用できる機能です。
この記事では、遠近グリッドの基本的な仕組みと使い方についてご紹介します。

動画説明有


遠近グリッドとは

遠近グリッドは、透視図法に基づいてオブジェクトを作成するための
ガイド機能です。
グリッドに沿って図形を描画することで、遠近感を持ったオブジェクトを
簡単に作成できます。

通常の描画では、パースを意識して図形を変形する必要がありますが、
遠近グリッドを利用することで、Illustratorが自動的に遠近法を
反映した形状へ変換します。
ただし、この機能は3DモデリングやCAD機能ではなく、あくまで
2次元上で遠近感を表現するためのツールです。
作成後に任意の視点へ回転させることはできません。

遠近グリッドの表示

操作方法

遠近グリッドは、[表示]メニューの[遠近グリッド]から[グリッドを表示]を
選択することで表示できます。
また、遠近グリッドツールを選択した際にも自動で表示されます。
作業中に不要になった場合は、同メニューから[グリッドを隠す]を選択することで非表示にできます。

3種類の遠近図法

Illustratorの遠近グリッドでは、用途に応じて3つの透視図法を選択できます。

一点遠近法

単一の消失点を使用する図法です。
道路や通路、廊下など、正面方向への奥行きを表現する場合に適しています。

二点遠近法

左右に消失点を配置する図法です。
建物の外観や箱形の製品など、立体的な形状を表現する際によく利用されます。

三点遠近法

上下方向の消失点を加えた図法です。
高層建築を見上げる視点や、上空から見下ろすようなダイナミックな
表現に適しています。

グリッドの編集と調整

遠近グリッドは、[遠近グリッドツール]でプロジェクトに合わせて
自由に調整できます。
主な調整項目は以下の通りです。

  • グリッドの表示範囲
  • 消失点の位置変更
  • グリッド面の角度調整
  • グリッド全体の移動
  • グリッド間隔の変更
  • 定規原点の移動

これらを調整することで、建築パースから製品イメージまで、目的に応じた遠近表現を構築できます。

プリセットの保存

調整した遠近グリッドはプリセットとして保存できます。

一度設定した消失点やグリッド角度、表示間隔などを再利用できるため、同種の案件を継続的に制作する場合には作業効率の向上が期待できます。

遠近グリッド上での描画

遠近グリッド上では、長方形ツールや楕円形ツールなどの基本図形ツールを使用して直接描画できます。描画した図形は選択中のグリッド面に合わせて自動的にパース処理されます。
また、ショートカットキーを利用することで描画対象となる面を素早く切り替えられます。

1キー:左グリッド面
2キー:水平グリッド面
3キー:右グリッド面
4キー:遠近グリッドを使用しない通常描画

作業効率向上のため、これらのショートカットは覚えておくと便利です。

グリッド上での編集操作

遠近グリッド上に配置したオブジェクトは、遠近感を保持したまま編集できます。
主な操作は次の通りです。

  • オブジェクトの移動
  • 拡大・縮小
  • コピー
  • グリッド面の変更
  • 垂直方向への移動

まとめ

遠近グリッドは、Illustratorにおけるパース表現を大幅に効率化する機能です。複雑な遠近法の知識がなくても、グリッドに沿って描画・配置するだけで自然な奥行きのあるアートワークを作成できます。

建築・インテリア分野のプレゼンテーション資料をはじめ、製品パッケージ、展示会ブース、販促ツールの制作など、さまざまな業務シーンで活用可能です。Illustratorの機能をより効果的に活用するためにも、遠近グリッドの基本操作を習得しておくことをおすすめします。

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