AutoCADの設定をオプションでより使いやすく!リセットの方法と併せてご紹介

AutoCADで効率よく作図をおこなうために、作図環境を整えることは重要なポイントです。ここでは、AutoCADにおけるオプションの開き方や設定などの基本的な操作方法から、クラシックUIへの変更方法や、ソフトのリセット方法など、知っておきたい機能を詳しく紹介していきます。

AutoCADのオプション設定1:オプションを開く方法

AutoCADでオプションを開く方法は、2つあります。

・アプリケーションボタンからオプションを開く方法

画面の左上にある「A」というアイコンの、アプリケーションボタンをクリックします。メニューが表示され、中央下部に「オプション」ボタンがあるのでクリックすると、オプションダイアログが表示されます。

・コマンドラインからオプションを開く方法

作業エリアの下部にあるコマンドラインで右クリックをします。表示されるメニューの一番下にある「オプション」をクリックすれば、オプションダイアログが表示させることができます。

AutoCADのオプション設定2:常に設定したファイルバージョンで保存する方法

AutoCADでは作業環境にあわせ、自分のパソコンに保存する図面ファイルのバージョンを、常に同じバージョンに設定しておくことができます。

具体的な方法としては、下記の通りです。

1.「オプション」コマンドを実行すると、オプションダイアログが表示されます。

2.上部に並ぶタブの中から「開く/保存」タブをクリックします。

3.保存エリア「名前を付けて保存」の下にあるファイル形式を選ぶ欄の、右側をクリックすると、AutoCADのバージョンを選ぶことができます。

この設定で次回から図面を新規作成する際、設定したファイル形式で新規作成、保存が可能です。

AutoCADのオプション設定3:背景色を設定・変更する

AutoCADのオプションでは、作業エリアの背景色を変更することもできます。

作業エリアの背景色を設定、変更する方法は、下記の手順でおこないます。

1.「オプション」コマンドを実行し、オプションダイアログボックスが表示されるたら、ダイアログボックスの「表示」タブをクリックしましょう。

2.表示タブ「ウィンドウの要素」エリアの中に、「色」ボタンがあるので、クリックします。

3.「作図ウィンドウの色」というダイアログボックスが表示されるので、右の「色」をクリックし、好みの色を選択してください。

4.ダイアログボックス下部にある「適用して閉じる」のボタンをクリックすると、選択した色に変更できます。

また、独自の中間色を指定したい場合は、色を選択するメニューの一番下にある「色選択」を押下すると、色の体型がグラデーションで表示されます。マウスクリックにより、微妙な中間色を選択することも可能です。

なお、規定の色に戻したい場合は、「復元」ボタンをクリックすると、初期設定の背景色に戻せます。

AutoCADのオプション設定4:ピックボックスやグリップのサイズを設定・変更する

ピックボックスとグリップのサイズ変更の方法

AutoCADでは、オブジェクト選択時に表示される「□」をピックボックスと呼びます。

また、オブジェクトを編集する際に現れる「■」はグリップと呼ばれています。

AutoCADにおけるピックボックスとグリップのサイズを設定、変更する方法は、下記の通りです。

1.はじめにアプリケーションボタンをクリックし、アプリケーションダイアログを表示します。

2.オプションダイアログの上部に並ぶタブの中から、「選択」タブをクリックしましょう。

3.「選択」タブの左上のエリアがピックボックス、右上のエリアがグリップとなっています。

4.それぞれにスライダーが付いているので、左右に動かしてサイズを変更します。

5.最後に下部にある「OK」ボタンをクリックすると、変更が反映されます。

ピックボックスとグリップの適正なサイズとは?

初期設定では、ピックボックスとグリップのサイズは大きめに設定されています。初期設定のまま作図をおこなうと、以下のようなケースに遭遇します。

・ピックボックスとグリップのサイズが大きすぎるため、マウスカーソルを誤って別のオブジェクトに合わせてしまう

・小さすぎる場合、オブジェクトを選択しづらいうえ、オブジェクトが選択できているのかわかりづらい

このように、ピックボックスとグリップは、大きすぎても小さすぎても、作業上の不都合が出てしまいます。そのため、使っているモニターの解像度と、モニターサイズによって設定を変える必要があります。

一概には言えませんが、一般的にはデフォルト設定より、すこし小さめに設定すると、作業がしやすくなる場合が多いようです。自分のパソコンに合わせた設定がどのくらいなのか、スライダーを動かして、ベストなサイズを見つけましょう。

AutoCADのオプション設定5:クロスヘアカーソルを設定する

AutoCADにおけるクロスヘアカーソルとは、作図領域にカーソルがあるときに現れる、十字形のカーソルのことです。中央にはピックボックスがあります。

AutoCADでは、このクロスヘアカーソルの大きさを、自由に設定、変更することが可能です。

中には、「クロスヘアカーソルを大きくする必要があるのか」という疑問を持つ方もいるかもしれませんが、一般的にカーソルは、ある程度大きいほうが、作業しやすいという意見が多いです。

それでは、AutoCADのクロスヘアカーソルのサイズ設定、変更の方法を説明します。

1.コマンドラインで右クリックし、表示されるメニューの一番下にある「オプション」をクリックして、オプションコマンドを表示します。

2.オプションコマンドが表示されたら、上部に並んでいるタブの中から「表示」タブを選択します。

3.表示タブを選択すると、右下に「クロスヘアカーソルのサイズ」と書かれたエリアがあります。左側に数字を入れて大きさを調整するボックスがあるので、数字を入力してクロスヘアカーソルのサイズを調整します。

なお、右側のスライダーをドラッグすることでも、調整可能です。

カーソルのサイズを数字で調整する場合、最小値は「1」、最大値は「100」となっています。100に設定すると、画面上部までクロスヘアカーソルを表示することができます。※デフォルト設定では、「5」に設定されています。

AutoCADソフトに限らず、長時間CADの操作をおこなっていると、カーソルの位置がわからなくなることも少なくありません。

上記の手順でクロスヘアカーソルを最適な大きさに設定しておくことで、カーソルを探すといった無駄な時間をなくすことができるでしょう。

また、カーソルのサイズとは別に、カーソルの色も変更することができるので、背景色と相性が悪いと感じる場合は、色の変更も試してみると良いかもしれません。

AutoCADのオプションと併せて知っておきたい“クラシックワークスペース”の表示方法

古くからAutoCADを利用しているユーザーの中には、AutoCADの古いインターフェースのほうが、シンプルで使いやすいと感じる人もいるようです。

AutoCAD2014までは、クラシックスタイルで作業できましたが、AutoCAD2015からは、クラシックスタイルへの変更、設定は廃止されました。

しかしAutoCAD2017から、再びリボンメニューを非表示にできるようになり、クラシックスタイルへの変更が復活しています。

ここでは、クラシックスタイルへの詳しい変更の仕方を紹介します。

1.クイックアクセスツールバーをドロップダウンし、「メニューバーの表示」をクリックして、メニューバーを表示させます。

2.「ツール」をクリックします。表示されたメニューの中から「パレット」をクリック、出てきたメニューにある「リボン」を選択します。すると、リボンが画面上から消えます。

3.「ツール」をクリックし、メニューの中にある「ツールバー」を押下します。

「AutoCAD」をクリックし、任意のツールバーをクリックすると、自分の好みのツールバーを、画面上の好みの場所に配置することができます。この操作を繰り返し、必要なものをすべて選択して、好みのインターフェースにカスタマイズしてみましょう。

4.好みのインターフェースが完成したら、「ツール」から「ワークスペース」へとすすみ、「現在に名前を付けて保存」をクリックします。「AutoCADクラシック」など、わかりやすい名前を任意で入力し、右側の「保存」ボタンをクリックすれば、設定完了です。

※リボンを復活させたい場合は、画面右下にある、機械の歯車のようなアイコンをクリックし、出てきたメニューの中の「製図と注釈」を選択すると、簡単にリボンのあるインターフェースへと戻すことができます。

AutoCADで設定したオプションなどを規定の状態にリセットする方法

リセット ユーティリティを使用する場合

AutoCADをリセットし、すべて元の状態に復元する方法を、WindowsとMacに分けて、詳しく紹介します。

Windows版

WindowsでAutoCADの設定をリセットする場合、以下の手順でおこないます。

1.Windowsの「スタート」ボタンを押下します。

2.「すべてのプログラム」をクリックし、「Autodesk」「AutoCADxxxx」の順にすすみ、「設定を規定にリセット」を選択します。

3.「設定を規定にリセット」のウィンドウが表示されるたら、「バックアップ後にカスタム設定をリセット」もしくは、「カスタム設定をリセット」のどちらかを選択し、指示にしたがってすすむとリセットが完了です。

4.リセット後、初回起動時に環境設定のメッセージが表示され、初期化された状態でAutoCADが起動します。

Mac版

1.AutoCADを立ち上げた状態で、AutoCADメニューの中から「基本設定」を選択します。

2.基本設定の中にあるタブの中から、「アプリケーション」タブを選択します。「アプリケーションオプションをリセット」というボタンがあるので、クリックしましょう。

3.「AutoCADをリセット」をクリックします。AutoCADの現在の設定をバックアップし、リセットされます。

4.AutoCADを立ち上げると、初回起動時の環境設定のメッセージが表示され、初期化された状態で起動します。

まとめ

ここでは、AutoCADの詳細な設定について紹介しました。

AutoCADにおける、さまざまな設定をおこなうことで、より作業しやすい環境をつくることができます。

CADオペレーターや設計者など、実務でCADを扱う職業は、パソコンの前で長時間作業することが多く、CADソフトの設定をすこし変えるだけで、ストレスが軽減されたり、大きく作業効率が向上したりするものです。

この機会に、AutoCADの設定を見直してみてはいかがでしょうか。

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